白銀の女神 紅の王Ⅱ




「初めは痛みを感じるだろうが、我慢しろ。いずれ快楽に変わる」

そして行為は再開された。

脚にあてられた手は膝から上へなぞる様にゆっくりと這わされ、服が皺を作っていく。




「やだッ…やめて……やっ…」


暴れれば暴れるほど服ははだけ、脚が露わになる。

ザイードの手が太ももに到達した時、ビクッと体が震えた。





「いや…っふ…シルバ……シルバ…ッ…」


うわ言のように繰り返したのは愛する人の名。

このまま、私はここでこの男に純潔を奪われるのだろうか。

会って間もない男に、愛の欠片もなく人形のように抱かれるのだろうか。

そう考えたら涙が止まらなかった。




シルバ…助けて―――

この場に在るはずのない人の名を心の中で呼んだ時だった。






ドンドンッ――――



「ザイード様」


部屋の扉が叩き、聞こえてきたのはベロニカの声だった。

その声はどこか切羽詰まっている様子。

しかし、ザイードは手を止めない。




「ザイード様!」


何も答えなかったザイードに再度ベロニカが声を張って呼びかける。

するとザイードは苛立たしげに深い溜息をつき、体を起こす。