「初めは痛みを感じるだろうが、我慢しろ。いずれ快楽に変わる」
そして行為は再開された。
脚にあてられた手は膝から上へなぞる様にゆっくりと這わされ、服が皺を作っていく。
「やだッ…やめて……やっ…」
暴れれば暴れるほど服ははだけ、脚が露わになる。
ザイードの手が太ももに到達した時、ビクッと体が震えた。
「いや…っふ…シルバ……シルバ…ッ…」
うわ言のように繰り返したのは愛する人の名。
このまま、私はここでこの男に純潔を奪われるのだろうか。
会って間もない男に、愛の欠片もなく人形のように抱かれるのだろうか。
そう考えたら涙が止まらなかった。
シルバ…助けて―――
この場に在るはずのない人の名を心の中で呼んだ時だった。
ドンドンッ――――
「ザイード様」
部屋の扉が叩き、聞こえてきたのはベロニカの声だった。
その声はどこか切羽詰まっている様子。
しかし、ザイードは手を止めない。
「ザイード様!」
何も答えなかったザイードに再度ベロニカが声を張って呼びかける。
するとザイードは苛立たしげに深い溜息をつき、体を起こす。

