白銀の女神 紅の王Ⅱ




「さぁ、存分に楽しもうぞ“エレナ”」


どこか狂気めいたザイードの笑みに、逃げなければという警鐘が頭の中に鳴った。

しかし、その想いとは裏腹に手は拘束されたままベッドに縫いとめられ、脚も抑えられている。

じたばたと暴れているつもりが、全く抵抗にはなっていなかった。

そんな私にザイードはフッと満足げな笑みを浮かべ、右手を私の腰から横腹、胸の側面へと手を這わす。





「ッ…やめて…触れないで」


ゾクゾクと嫌な感覚が体に走り、弓なりになってそれに耐える。

涙を湛えた瞳でザイードを睨みつける。




「そんな顔も出来るではないか。そうでなくては愉しくない」


そう言って顔を近づけてくるザイード。




ッ……それだけは嫌……

何をされるのか察し、思いっきり顔を横に逸らす。

すると、ザイードは諦めたようで、溜息をつきながら離れていく。




「口づけは嫌か。まぁいい、愉しみ方など他にもある」


そう言ってザイードが触れたのは首筋。





「いっ…いやッ……」


ちゅっ…ちゅっ…とリップ音をわざとらしく鳴らしながら唇をあてられる。

その口づけは首筋から下へ降りて行き、鎖骨、そして胸元まで到達した。



気持ち悪い……


シルバが触れる時はこの上ない幸せを感じる行為なのに。

ザイードがもたらすのは恐怖と嫌悪感だけ。

終わることのない嫌悪に耐えていると、ザイードの手が私の衣服にかかる。