白銀の女神 紅の王Ⅱ




「話はそれだけですか?他になければ地下牢に戻ります」

「本当に可愛くない女だ」



ザイードは私に近づき、髪を掴んでグイッと引っ張る。





「ッ……」

「お前が自ら私に協力することを待ってやろうと思っていたが…ここが潮時だろう」


ザイードの言葉に一筋の希望が見える。

もしかして諦めてくれるのかもしれない。



そう思ったが――――




「だが俺もこのままでは気が済まない」


フッと笑みを深めるザイード。





「女、お前はアークの王の事を慕っているのだったな」


髪にあてられた手が頬に移り、ゆっくりと輪郭をなぞる。

ゾワゾワと何か嫌な感覚が体中を駆け巡り、直感的に体が逃げを打つ。





「アークの王への想いもろとも壊してやる」

「いやッ…!」


両手を縛られた状態の私を軽々と抱き上げるザイード。





「ザイード様ッ!」


ベロニカの焦ったような声が部屋に響く。

どこか非難するような声色にザイードが振り返る。