「話はそれだけですか?他になければ地下牢に戻ります」
「本当に可愛くない女だ」
ザイードは私に近づき、髪を掴んでグイッと引っ張る。
「ッ……」
「お前が自ら私に協力することを待ってやろうと思っていたが…ここが潮時だろう」
ザイードの言葉に一筋の希望が見える。
もしかして諦めてくれるのかもしれない。
そう思ったが――――
「だが俺もこのままでは気が済まない」
フッと笑みを深めるザイード。
「女、お前はアークの王の事を慕っているのだったな」
髪にあてられた手が頬に移り、ゆっくりと輪郭をなぞる。
ゾワゾワと何か嫌な感覚が体中を駆け巡り、直感的に体が逃げを打つ。
「アークの王への想いもろとも壊してやる」
「いやッ…!」
両手を縛られた状態の私を軽々と抱き上げるザイード。
「ザイード様ッ!」
ベロニカの焦ったような声が部屋に響く。
どこか非難するような声色にザイードが振り返る。

