「足手まといの捕虜がいなくなって図に乗っているようだな、女よ」
壇上から降りてきたザイードが乱暴に私の顎を掴む。
グイッと自分の方に引き寄せ、乱暴に扱われる。
「言うことを聞かなければどうなるか分かっているだろうに」
「そんな脅しは効きません。私の身がどうなろうとも、この意志を変えられはしないのだから」
目を逸らさず、はっきりとそう告げればザイードに動揺が見えた。
「ではお前の望みどおりにしてやろう」
顎を掴んでいた手を振り払い、背を向けて壇上の椅子へ帰っていくザイード。
ドカッと椅子に座り、兵士に命令する。
「この女を地下牢へ閉じこめておけ」
はッ…と答えた兵士によってあっという間に両腕を掴まれた。
「その威勢がいつまで続くか見ものだ」
私は絶対に屈しない。
私はアークに帰る……
デュークの言っていたことが本当ならとても辛いけど。
シルバと過ごしてきた日々が嘘だとは思えないから。
だから、直接シルバに確認する。
敵地に独りぼっちのこの状況で、私を奮い立たせているものはその想いだけだった。
こうして私はギルティスにとどまることになった。

