「デューク、ニーナを無事にアークまで連れて帰って」
「無論だ」
その言葉を聞いてホッと安堵する。
手の甲で涙を拭い、デュークに向かって口を開く。
「シルバに伝えてください」
涙の後が残る顔で微笑む。
「私は貴方の事を“愛していました”…と」
「分かった」
デュークは最後まで表情を揺るがすことなくそう答えた。
ニーナはデュークの腕の中で静かに涙を流した。
そして、二人はアークへ帰って行った。
二人が帰った後の王の間―――
「奴はお前の能力が戻ったことに気付いていなかったな。侍女が告げ口をするかもしれんが、もう遅い」
ククッと終始機嫌のよいザイード。
「しかし哀れなものだ。お前はアークの王の事をしたっていたようだが、向こうは欠片もお前の事を愛していなかったようだしな」
「ッ……」
僅かに眉を寄せ反応を示した私にザイードは笑う。
椅子に背を預け、腕を組んで私を見下ろす。
「しかし、これで未練もなくギルティスの為に尽くせよう。むしろ裏切られた怒りと憎しみを存分に返せるではないか」
さも良い考えだろうと言わんばかりの表情と言葉。
けれど私は……

