白銀の女神 紅の王Ⅱ




「デューク、ニーナを無事にアークまで連れて帰って」

「無論だ」


その言葉を聞いてホッと安堵する。

手の甲で涙を拭い、デュークに向かって口を開く。




「シルバに伝えてください」


涙の後が残る顔で微笑む。





「私は貴方の事を“愛していました”…と」

「分かった」


デュークは最後まで表情を揺るがすことなくそう答えた。

ニーナはデュークの腕の中で静かに涙を流した。

そして、二人はアークへ帰って行った。








二人が帰った後の王の間―――



「奴はお前の能力が戻ったことに気付いていなかったな。侍女が告げ口をするかもしれんが、もう遅い」


ククッと終始機嫌のよいザイード。



「しかし哀れなものだ。お前はアークの王の事をしたっていたようだが、向こうは欠片もお前の事を愛していなかったようだしな」

「ッ……」


僅かに眉を寄せ反応を示した私にザイードは笑う。

椅子に背を預け、腕を組んで私を見下ろす。




「しかし、これで未練もなくギルティスの為に尽くせよう。むしろ裏切られた怒りと憎しみを存分に返せるではないか」


さも良い考えだろうと言わんばかりの表情と言葉。

けれど私は……