気づいた時には頬に涙が流れていた。
一瞬デュークが目を見張るも、それ以上は何も言わなかった。
そして、デュークは私の横を通り過ぎ、ニーナの前で止まる。
「これは私が連れ帰る。侍女は必要なんでね」
「好きにするがいい。もとよりその約束だったからな」
ニーナの手を取るデューク。
しかし――――
「んーんッ!!!」
口を塞がれたままのニーナが取られた手を振り払い声を荒げる。
その瞳には明らかな怒りが含まれていた。
「大人しくしろ」
そう言ってデュークはニーナの腕を掴み、抱き上げる。
「んんーッ、んーんッ!」
バタバタと暴れるニーナ。
こちらを見て叫んでいるのはきっと私の名前。
「ニーナ……私は大丈夫だから…」
精一杯の強がりに、ニーナの動きがぴたりと止まる。
ニーナの瞳にもうっすらと涙が浮かんでいた。

