「だが、あいつはえらくエレナ様にご執心だったではないか」
それまで黙って聞いていたフォレストが我慢しきれずに声を上げる。
しかし、デュークは落ち着き払った声で応える。
「それも能力があってのこと。この女の精神が落ち着けば戻るものだと思い、演技までして待ったが、一向に能力が戻らなかったことを嘆いておられた」
「だが…」
「フォレスト!」
尚も食らいつくフォレストにザイードが一喝する。
ザイードとしてはこのまま私の能力が戻ったことを知られずにことを終えたいと思ったからだろう。
そうとは知らないデュークは続ける。
「お前もこの女の能力が目当てで攫ったのだろう?もうこの女は役には立たないぞ?」
「正直なところ能力が目当てだった…が、この女の容姿は目を見張るものがある」
ニヤリと笑みを深め、能力など二の次だと言わんばかりにそう言うザイード。
私の容姿になんてこれっぽっちも興味はないくせに。
「銀色の瞳に銀色の髪。このような色彩を持った女など他にいない」
「では望み通り傍に置け。少なくとも陛下の周りにはこれに勝るとも劣らない美姫が手に余るほどいるからな」
ズキズキと胸を刺す痛みをリアルに感じる。
「デューク……シルバは本当にそう思っていたの?私の存在価値は能力の有無だと?」
震える声でそう問えば、デュークは何の迷いもなく「そうだ」と答える。

