しかし、ギルティス兵に次いで入ってきた人物に驚愕した。
数人のアーク兵の先頭を歩き、部屋に入ってきたのは赤みがかった茶色の髪と漆黒の瞳を持つ男。
デュークさん…何でここに。
現れたのはシルバではなく、側近のデュークだった。
デュークが入ってくると先ほどまでの喧騒が一瞬にして止む。
誰もがデュークに注目し、その行方を固唾をのんで見守る。
デュークは私とニーナの横を通り過ぎ、ザイードの目の前で立ち止まった。
隣にいるフォレストに一瞬目を見開いたものの、すぐにザイードに視線を戻した。
「陛下こやつは…」
「フォレストお前は黙っていろ」
デュークがアークの国王ではないことを知っているフォレストは口を開くが、ザイードに圧倒され押し黙る。
そして、ザイードはデュークを見下ろしながら口を開く。
「お前がアークの王か」
私もニーナも、そしてギルティス兵もデュークの答えを待つ。
「俺は王ではない。もっとも、お前の国の使いは俺の事を王だと思い込んでいたようだがな」
ニヤリとデュークらしい笑みで告げられた言葉に、ザイードの眉がピクリと動き、ギルティス兵がざわめく。

