「恐れながら陛下。アークの国境警備は殊の外厳しく、検問を通過してもなかなか王にまでたどり着くことができませんでした」
兵士は落ち着いた声で報告をする。
「加えて我が国の王城とアークは離れており、片路でも早くて半日はかかってしまい…」
「言い訳はよい」
ザイードの苛立ちの声が兵士の話を遮る。
「アークの王は来たのか」
「はい。別室に控えさせております」
兵士の言葉にザイードはニヤリと口角を上げる。
「呼んで来い」
その命令にはッ…と短く答え、こちらに歩いてくる兵士。
「喜べ皆のもの。これからアークの王の間抜け面が見れるぞ」
ザイードの悦に浸った声がギルティス兵をどっと沸かせる。
その喧騒の中、私は一人胸を高鳴らせていた。
シルバが来てくれた……
例えギルティスから離れられないと分かっていても、来てくれただけで嬉しい。

