白銀の女神 紅の王Ⅱ




パタン…――――


ニーナが扉の向こうに消え、重々しく扉が閉じた。

ポンっと私の方に置かれる手。

振り返れば満足げなザイードがいた。





「よく決断した。賢明な判断をすると思っていた」


嬉々とした声が降りかかるが、俯いたまま視線は床に落とす。

ザイードの思惑通り動いていることが悔しかった。

けれど、全てをザイードの思うがままにはさせない。

床に落とした視線を上げ、ザイードを見据えて口を開く。





「ニーナは無事アークへ帰すと約束してください」

「あぁ、約束しよう」



上機嫌に応えるザイード。

その言葉にひとまずほっと安堵する。

ニーナが無事アークに帰国できれば、その後は何も心配することはない。

ただ私が能力を使うことを拒否すればいいだけのことだ。

やっぱり…シルバの敵になる様な事だけは出来ない。





「あの女は帰国させるよう手配をする」


その言葉にほっとしたのもつかの間。





「そうだな…お前を帰すと言って王自ら迎えに来てもらうか」

「ッ…!」


バッと顔を上げれば何か企んでいるような表情のザイード。



まさか……