パタン…――――
ニーナが扉の向こうに消え、重々しく扉が閉じた。
ポンっと私の方に置かれる手。
振り返れば満足げなザイードがいた。
「よく決断した。賢明な判断をすると思っていた」
嬉々とした声が降りかかるが、俯いたまま視線は床に落とす。
ザイードの思惑通り動いていることが悔しかった。
けれど、全てをザイードの思うがままにはさせない。
床に落とした視線を上げ、ザイードを見据えて口を開く。
「ニーナは無事アークへ帰すと約束してください」
「あぁ、約束しよう」
上機嫌に応えるザイード。
その言葉にひとまずほっと安堵する。
ニーナが無事アークに帰国できれば、その後は何も心配することはない。
ただ私が能力を使うことを拒否すればいいだけのことだ。
やっぱり…シルバの敵になる様な事だけは出来ない。
「あの女は帰国させるよう手配をする」
その言葉にほっとしたのもつかの間。
「そうだな…お前を帰すと言って王自ら迎えに来てもらうか」
「ッ…!」
バッと顔を上げれば何か企んでいるような表情のザイード。
まさか……

