白銀の女神 紅の王Ⅱ




「その女には価値があるから連れてきたまでのことだ」

「価値?」


ザイードの言葉を繰り返す。




「あぁ、そうだ。お前が私の為に尽くすことを拒絶した時のための贄としてのな」

「ッ…!」



告げられた理由に息を飲んで衝撃を受ける。






「断ればこの女の命はない」


何て卑怯な……

私がこの国の為に能力を使い、この国の為に尽くすことを承諾しなければニーナの命がない。



承諾すればシルバの敵に。

断ればニーナの命がない。

考える暇もなく、ザイードは私に告げる。





「さぁ、選べ。私の為に力を使うか、この女を見殺しにするか」


私の心の内の葛藤などあざ笑うかのように答えを急かす。





「私は……」


迷いがあるままに口を開いた。

しかし次の言葉が出てこない。

すると、ニーナが私の手をギュッと握りしめて何かを訴える。





「んーんんッ…んん…っ…」


しかし口を塞がれているため何を言っているのか分からない。

必死に口を動かし何かを伝えようとしている。