「ニーナッ!」
「んん…ッ…!」
連れてこられたのはニーナだった。
両手は縛られ、口も塞がれていたため、ニーナはくぐもった声を上げながら目を見開いた。
「ニーナ、無事だったのね」
思わずニーナに駆け寄り、手を取る。
「良かった…本当に良かった」
ニーナの姿を目にいれた途端、ほっと安堵した。
最後に見た時は床に倒れ、頭から血を流していた光景だったから。
今も頭に包帯を巻いているが、思ったよりも大けがではなかったらしい。
「驚いたか?」
「ッ…何故ニーナまで攫ったのです!ニーナは関係ないでしょう」
愉しそうに響いたザイードの言葉にバッと振り返り、責めたてるように声を上げる。
「貴様、ザイード様に無礼な…」
ずっと黙っていたベロニカがギリッと歯を噛みしめて迫力のある形相で私に向かってくる。
しかし、それはザイードによって止められた。
スッと手でベロニカを制したザイードは愉しそうに笑う。

