「ほう、では私の為に力を使うのは嫌だと言いたいのか?」
ザイードから笑顔が消える。
冷酷な王の顔を垣間見せたザイードにブルっと身震いを起こす。
逆らわない方が得策だが、私の想いは変わらなかった。
「はい……」
ザワッ…と私たちを囲むギルティス兵がどよめく。
ベロニカやジェインも驚きの表情でこちらを見つめていた。
しかし、ザイードだけはクッと獰猛な笑みを浮かべる。
「面白い…俺に真っ向から逆らったのはお前が初めてだ」
ザイードはスッと立ち上がり、ゆっくりと壇上から降りてくる。
そして、私の目の前で立ち止まり、クイッとおもむろに顎を掴まれて上を向かせられる。
私はありったけの勇気を振り絞ってザイードを睨む。
「そんな瞳を向けられると、意地でも屈服させたくなる」
そう言ってジェインに目くばせするザイード。
その視線を追って振り返れば、ジェインは一旦部屋を出ていく。
「私の意思は変わりません」
これから私にどんな仕打ちが待っていようとその意思は固い。
ザイードはフッと笑って私の顎に当てた手を離す。
「そうか。だが、これを見ても同じことが言えるかな?」
視線の先に目をやればジェインが戻ってきていた。
そして、ジェインが連れて戻ってきた者に驚愕した。

