白銀の女神 紅の王Ⅱ



「ほう、では私の為に力を使うのは嫌だと言いたいのか?」


ザイードから笑顔が消える。

冷酷な王の顔を垣間見せたザイードにブルっと身震いを起こす。

逆らわない方が得策だが、私の想いは変わらなかった。





「はい……」


ザワッ…と私たちを囲むギルティス兵がどよめく。

ベロニカやジェインも驚きの表情でこちらを見つめていた。

しかし、ザイードだけはクッと獰猛な笑みを浮かべる。




「面白い…俺に真っ向から逆らったのはお前が初めてだ」


ザイードはスッと立ち上がり、ゆっくりと壇上から降りてくる。

そして、私の目の前で立ち止まり、クイッとおもむろに顎を掴まれて上を向かせられる。

私はありったけの勇気を振り絞ってザイードを睨む。





「そんな瞳を向けられると、意地でも屈服させたくなる」


そう言ってジェインに目くばせするザイード。

その視線を追って振り返れば、ジェインは一旦部屋を出ていく。





「私の意思は変わりません」


これから私にどんな仕打ちが待っていようとその意思は固い。

ザイードはフッと笑って私の顎に当てた手を離す。




「そうか。だが、これを見ても同じことが言えるかな?」


視線の先に目をやればジェインが戻ってきていた。

そして、ジェインが連れて戻ってきた者に驚愕した。