「そんなことは決まっている。他国侵略のためにその能力を存分に使ってもらう」
「やっぱり……」
ギルティスは他国を侵略して資源や土地を奪い大国となった国だ。
私が攫われた理由なんて、そのために利用することの他考えられなかった。
けれど、改めて私の能力を利用するためだと告げられれば、能力が戻ったことを後悔せざるを得なかった。
「何も気を落とすことはない。こういった類の話は初めてではなかろう。お前を利用する者は今までに数多くいたはずだ」
「そう…ですね」
自嘲気味に笑いながらポツリと答える。
ウォルターも、フォレスト伯爵も、そして…シルバも。
私の能力を利用するために自分たちの傍に置いた。
自分たちの欲のために私は利用され、私もそれに逆らわなかった。
「けれど、私はもう誰かを傷つけるために能力は使いたくないんです」
シルバに出逢って私は変わったから。
誰かを騙すでもなく、傷つけるでもなく“守る”為に力を使いたいと思った。
最初こそ私の能力を利用すると言って攫ったシルバも私が倒れた時から強要していない。

