赤の絨毯が敷かれた長い廊下を歩く。
部屋を出てから暫く歩いているのに、一向に王が待ち構える部屋につかない。
それほど大きい王宮なのだろう。
ギルティスは危険な国だとウィルが話してくれたことがある。
他国を侵略することでその国力を保ち、冷酷な王が支配する国だと…
よりにもよってそんな国に攫われるなんて。
しかも能力が戻った時を見計らって狙われていたなど、これ以上の失態はない。
きっとギルティスの王“ザイード”と言う人は私の能力を利用するだろう。
そしてギルティスがまず標的にするのは間違いなくアーク。
そうなれば私はシルバの敵になる。
それだけは絶対にだめ…
例え私がどうなろうとも、シルバとシルバが守るアークの敵にはなりたくない。
まだ見ぬギルティスの王を頭に浮かべながら考えを巡らせていると…
「着いたわよ」
先頭を歩くベロニカが大きな扉の前で立ち止まり、こちらを振り向いている。
ゴクリと喉を鳴らし、緊張で早鐘を打つ胸を抑えながら扉をくぐった。

