「ここがギルティス王国なら、私はこの状況をどうすることもできないから」
「可愛くない女。泣き叫んで恐怖で顔を歪めるくらいしてくれなきゃ愉しくないんだけど」
冷めた瞳が私を見下ろす。
「まぁいいわ。そんな顔をしてられるのも今の内だから」
フッと歪む笑顔を向けられる。
そして――――
グイッ……
「いっ……」
容赦ない力で手首を掴まれ、否応がなしにベッドから引きずり降ろされる。
高さのあるベッドの上からドンっと床に落ち、体ごと引っ張られて引きずられる。
「手を…放してください」
その言葉に歩みを止めて振り返るベロニカ。
ベロニカに腕を拘束されたまま、ゆっくりと立ち上がる。
「自分で歩いて行けます」
「本当に可愛くない女」
フンッと不機嫌に顔を背け、まるで振り払うかのように手を離される。
「この女を拘束して」
タイミングよく部屋に入ってきた兵士たちに命じるベロニカ。
駆けつけた兵士によって、両手を前で拘束される。
「さぁ、我らが王に会ってもらうわよ、アークのお姫様」
ニヤリと笑ったベロニカ。
私は抵抗せず自分の足で部屋を出て行った。

