『エ…ナ……』
誰かに呼ばれている…
『エレナ…』
薄れる意識の中、声を頼って呼ばれるままに目を開く。
するとそこには愛おしい人がいた。
『シルバ』
しかしその表情は硬い。
眉を寄せ、瞳は冷たい。
『シルバ…?』
不安が込み上げ彼の名を呼んだ瞬間、シルバが口を開く。
『能力が戻ったと言うのは本当か』
『ッ……!』
シルバが口にした言葉に息を飲んで驚愕した。
『何故……』
『その狼狽え様、本当だったんだな』
冷めた紅の瞳に見下ろされ、私の頭は真っ白になった。
シルバの瞳に映った落胆と億劫が怖かった。
まるで拒絶されているかのような声色と表情に、何か言わねばと思って口を開く。
『わたし……あの…ずっと言わなきゃと思ってて…』
震える声で説明しようとする。

