白銀の女神 紅の王Ⅱ




『エ…ナ……』


誰かに呼ばれている…




『エレナ…』


薄れる意識の中、声を頼って呼ばれるままに目を開く。

するとそこには愛おしい人がいた。




『シルバ』


しかしその表情は硬い。

眉を寄せ、瞳は冷たい。





『シルバ…?』


不安が込み上げ彼の名を呼んだ瞬間、シルバが口を開く。





『能力が戻ったと言うのは本当か』

『ッ……!』



シルバが口にした言葉に息を飲んで驚愕した。





『何故……』

『その狼狽え様、本当だったんだな』


冷めた紅の瞳に見下ろされ、私の頭は真っ白になった。

シルバの瞳に映った落胆と億劫が怖かった。

まるで拒絶されているかのような声色と表情に、何か言わねばと思って口を開く。




『わたし……あの…ずっと言わなきゃと思ってて…』


震える声で説明しようとする。