アーク内でエレナを取り戻せていたなら事は何事もなく終わっていただろうが…
ギルティスの領土に連れ去られてはそう簡単にはいかない。
「どうするつもりですか、シルバ」
エメラルドグリーンの瞳が俺を試すように見据えられる。
ウィルの言わんとすることは分かっていた。
しかし、答えはただ一つ。
「エレナを取り戻す」
「だが、このままギルティスに攻め入るには兵が足りないぞ」
「デュークの言うとおりです」
珍しくウィルがデュークの反論に加担する。
確かに在りあわせの兵を連れてきただけであって、国に攻め入るには心もとない。
しかもエレナを攫ったのはギルティス王国。
「他国を侵略して大きくなったギルティスを侮ってはいけません」
宰相としての性質からか、慎重に事を運ぼうとするウィル。
俺がなりふり構わずに敵国へと突っ込もうとでも思っているのだろう。
しかし――――
「侮ってなどないさ」
落ち着いた声でそう言えば、ウィルは意外だと言わんばかりに瞳を見開く。
「ではどうやってエレナさんを助け出すんです」
ウィルの問いに、フッと笑みを零す。
「俺に考えがある」
エレナ奪還の始まりだった――――

