何だあれは……
石に隠れたそれを覗きこめば、そこには柄が折れた矢が石の間に挟まっていた。
光っていたのは矢じりが太陽の光を反射したためだろう。
これは、エレナを攫って行った者たちが使っていた矢だろうか。
そう思いながら、拾い上げ、その矢を目にした瞬間目を見開いた。
そして、フッと冷酷な笑みを零す。
「そう言う事か……」
内側からふつふつと湧き上がるのは紛れもない怒り。
「シルバどうした」
矢を握ったまま肩を震わせる俺の様子を窺いに来たデューク。
訝しげな表情をして近づいてきたデュークだったが、俺の手に握られた矢を見て息を飲む。
「ッ…それは……」
「決まりだな」
驚愕したデュークに確信した。
恐らく、俺たちが考えていることは同じ。
俺たちは矢を見てエレナがどこに攫われたのか分かった。
矢と言えば矢羽の造りから矢じりの形まで様々で、それぞれ国によって特徴がある。
アークの矢羽は黒く、矢じりは細くて軽量。
だが、この矢の矢羽は茶色く、矢じりは重量感がある。
この矢を保持している国は……
「エレナを攫ったのはギルティスだ」
目的は見えないが、向かう先は決まった。
エレナは必ず取り戻す――――

