エレナの中に不安がある限り、心まで手に入れたとは言えない。
そんなエレナの不安を拭うために婚儀をすることを決めたが、今日と言う日を一番待ち望んでいたのは俺だろう。
形だけでも俺から離れられないよう縛りつけ、どこへも逃がさない。
チャプ…――――
水音をさせ泉の水をすくい、グッと握る。
もう少しだ……この禊を終えればエレナと契りを交す。
そうすれば、あの銀色の瞳も、白銀の髪も、柔らかな肢体も全て俺のものだ。
他の誰にも触れさせない。
「シルバ、そろそろ時間です」
石畳の階段の上からウィルが俺を呼ぶ。
あぁ…と一言返し、泉から上がればニコニコと笑うウィル。
「空耳が聞こえるくらい大好きなエレナさんにやっと会えますね」
「煩い」
嫌味なくらい爽やかな笑みでそう言ったウィルの手からタオルを奪い、水で濡れた体を拭く。
突き放すように放った一言もウィルには通じない。
「城に戻るぞ」
「はい」
ローブを羽織り城へ戻ろうと歩み出した時。

