白銀の女神 紅の王Ⅱ




「こいつの腕でも、この距離なら確実に当たる」


確かに、どんなに腕が悪くても僅か数メートルのこの距離を外すものなどそういないだろう。





「逃げようなんて気は起こすなよ。まぁ、こういう事態も計画通りだがな」

「え?」


驚いた声を上げた私に、男は満足げな笑みを浮かべる。






「俺たちが何故こうもすんなり城の敷地に近づけたか分かるか?」


そう言えば……何故?

森と言えど城の敷地内で護衛もいたはず。

禊のために護衛が少数だったと言えど、何故その網をかいくぐってこられたのか。

そして、何故ピンポイントでここに来れたのか。

その真実は愉しそうに笑う男が告げた。




衝撃的な言葉と共に――――




「俺たちはお前たちが何故この場にいたのか知り得たんだよ。姫が今どこで何をしているか、俺たちには筒抜けだったんだ。なぁ、ベロニカ?」



「「ッ……!」」


男が最後に告げた名に私とニーナが大きく息を飲んだ。

そして、バッと振りかれれば、そこには男と同じように冷たい笑みを浮かべるベロニカがいた。