白銀の女神 紅の王Ⅱ




「目的は何ですか?」


ヒュッと浅く息を吸い、意を決して口を開いたニーナ。

私をかばって逃げるにはリスクが高いと判断したのだろう。

ましてや、一人だとしても男二人から逃げられる可能性は低い。





「お前たちが俺に問える権利などないんだが…まぁ、教えてやってもいい。その方が事が早く済みそうだからな」


そう言って、不敵に笑う男は終始上機嫌で口を開く。






「俺たちの目的は異能の姫だ」


ッ…!

ドキリと心臓が跳ねた。




異能の…姫……?

それってもしかして……


ギュッとニーナの服を握り締めれば、その不安を受け取ったニーナがあくまで冷静に答える。




「意味が分かりませんわ」

「しらばっくれるのか?この国には人の心が読める女がいると分かっているんだ」


間違いない…男が言う“異能の姫”とは私の事だった。





「俺たちの主がその異能の姫に興味を持っていてな」

「ザイード様に姫を献上するために来たと言うわけだ」


兄の言葉に続いた弟が自慢げに身体を後ろにそらす。



「馬鹿かお前!名前を出す間抜けがどこにいる」


弟の失態にもはや呆れ顔の兄。

一方の私たちはその名を頭にめぐらす。