「目的は何ですか?」
ヒュッと浅く息を吸い、意を決して口を開いたニーナ。
私をかばって逃げるにはリスクが高いと判断したのだろう。
ましてや、一人だとしても男二人から逃げられる可能性は低い。
「お前たちが俺に問える権利などないんだが…まぁ、教えてやってもいい。その方が事が早く済みそうだからな」
そう言って、不敵に笑う男は終始上機嫌で口を開く。
「俺たちの目的は異能の姫だ」
ッ…!
ドキリと心臓が跳ねた。
異能の…姫……?
それってもしかして……
ギュッとニーナの服を握り締めれば、その不安を受け取ったニーナがあくまで冷静に答える。
「意味が分かりませんわ」
「しらばっくれるのか?この国には人の心が読める女がいると分かっているんだ」
間違いない…男が言う“異能の姫”とは私の事だった。
「俺たちの主がその異能の姫に興味を持っていてな」
「ザイード様に姫を献上するために来たと言うわけだ」
兄の言葉に続いた弟が自慢げに身体を後ろにそらす。
「馬鹿かお前!名前を出す間抜けがどこにいる」
弟の失態にもはや呆れ顔の兄。
一方の私たちはその名を頭にめぐらす。

