深くかぶっていた白いベールをニーナに差し出す。
それをニーナから受け取ったベロニカは素早くたたみ、持ってきていた籠にしまう。
神聖な儀式には必要な者だけで執り行われるため、泉には私とニーナとベロニカだけ。
ベールを脱いだ私はニーナとベロニカに手を引かれ、泉へと続く階段の前に立つ。
そして、ゆっくりと階段を下りて行き、足の指先から水につかっていく。
チャプ…―――――
石に囲まれた泉だからか思った以上に冷たかった。
「ではエレナ様、まずは腰まで水につかって下さい」
コクンと頷き、惹かれていた手を離して更に階段を下りる。
腰まで水につかったところで、後からニーナとベロニカが泉に入ってくる。
「では禊の儀式を始めます」
ベロニカの声を皮切りに、儀式は始まった。
儀式と言っても私には何が何やら分からずに、終始ニーナとベロニカに身体を預けるだけ。
祈りをささげたり、泉の水を頭からかぶったりと、儀式はしめやかに行われた。
この時間、シルバは同じ儀式を西の森で行っているはず。
もうすぐ会える……
そう思ったら不思議と心が安らぐ。
能力が戻ったことを告げるのは怖いと思いつつも、心はシルバを求めていた。

