「たぶん一昨日から…ドレス選びをしていた時、突然ニーナの声が頭の中に響いてきて…」
「あの時の…」
図らずしも心を読んで白のドレスを選んだ時はニーナも驚いていた。
思い当たる節があるのか、あの時と言っただけで十分に伝わった。
「ごめんなさい…勝手に頭の中を覗くようなことをして」
まだ能力があった頃、一番恐れていたのは人の心を覗くような自分の力だった。
それがあった故に家族とも疎遠になり、友人も離れて行ったのだから。
膝の上に乗せた手をギュッと握ると、その上に小さな手がそっと添えられる。
「謝らないでください。私は大丈夫ですから」
そこには初めてニーナに会った時と変わらぬ笑顔があった。
キュッと胸が締め付けられ、一瞬で温かな気持ちが胸に広がる。
ありがとう…ニーナ。
貴方はいつだって私の能力を忌み嫌わなかった。
だから貴方に打ち明けようと思ったの。
本当にありがとう……
心の中でニーナに感謝の言葉を何度も繰り返した。

