白銀の女神 紅の王Ⅱ




一人で悩んで抱え込んで。

苦しむのは自分なのに。

シルバならきっと受け止めてくれる。

能力が消えた時だって傍にいてもいいと言ってくれたじゃない。



だからきっと…――――




「あの…シルバ……」

「なんだ」


意を決して口を開けば、温かな声が降ってくる。

ドクン…ドクン…と大きな心音を刻ませながらスゥ…と浅く息を吸い…




「じ、実は…「待て」


言いかけたその時、シルバによって遮られた。

そして、静まりかえった廊下にカツ…と小さく響く靴音。




「誰か来る」

「ッ…どうしよう…」


あわあわと慌てだす私にシルバは「慌てるな」と一言いう。





「俺がここから離れる。お前はこのままここにいろ」

「分かりました…」


シルバの顔も見ることは出来ない状況に、ただ俯いて答えた。





「話は明日の式が終わった後に聞く。それまでには気持ちの整理をしておくんだぞ」


そう言って離れて行ったシルバの姿は、振り向いた時にはもうなかった。





言えなかった……


溜息と共に自己嫌悪に陥る胸の内。

シルバは式が終わったら聞いてくれると言ったけど、本当にそれで良いのかな。

不安を胸に抱きながら自室へと帰って行った。