白銀の女神 紅の王Ⅱ




「まさかとは思うが婚儀を取りやめたいと言う事ではないだろうな」

「違います!」


呆れたようにも聞こえたシルバの言葉にビクッと反応し、否定の言葉を叫ぶ。

その声は殊の外大きかったらしく、後ろから伸びたシルバの手が私の口を塞いだ。




「静かにしろ」


諌める様な声に、しゅんとしながら「ごめんなさい」と呟く。

そして、今度は静かに口を開いた。




「…シルバと結婚するのが嫌と言うわけではないの」

「なら他に理由があると言うのか?」


その問いに、俯いてキュッと口を結ぶ。





言わなきゃ…今……


能力が戻ったことを…


今言わなきゃ式までにもう会うことはないから。




だから…―――――


「あり…ません……」


私の答えにただ溜め息をついたシルバ。

きっと嘘は見抜かれている。



ただ一言だけなのに、何故言えないんだろう…

こんな自分が本当に大嫌い。

ズルくて、弱くて…憶病。