「まさかとは思うが婚儀を取りやめたいと言う事ではないだろうな」
「違います!」
呆れたようにも聞こえたシルバの言葉にビクッと反応し、否定の言葉を叫ぶ。
その声は殊の外大きかったらしく、後ろから伸びたシルバの手が私の口を塞いだ。
「静かにしろ」
諌める様な声に、しゅんとしながら「ごめんなさい」と呟く。
そして、今度は静かに口を開いた。
「…シルバと結婚するのが嫌と言うわけではないの」
「なら他に理由があると言うのか?」
その問いに、俯いてキュッと口を結ぶ。
言わなきゃ…今……
能力が戻ったことを…
今言わなきゃ式までにもう会うことはないから。
だから…―――――
「あり…ません……」
私の答えにただ溜め息をついたシルバ。
きっと嘘は見抜かれている。
ただ一言だけなのに、何故言えないんだろう…
こんな自分が本当に大嫌い。
ズルくて、弱くて…憶病。

