白銀の女神 紅の王Ⅱ




「ッ……だれか…んんっ」


助けを呼ぼうとして開いた口は大きな手によって阻まれる。

私の口を塞いだ手は間違いなく男の手だった。

抵抗する体は抑えられ、パニックを起こしかけていると…






「声を出すな。皆に気付かれるだろ」

「ッ!」


耳元で囁かれた声は聴き慣れた人のもの。




「大声を出さないか?」


と言う声に、コクコクと頷く。

すると、ゆっくり手を離してくれた。


そして、後ろから包み込まれる様にして抱きしめられる。

ドキ…ドキ…と久しぶりの感覚に胸が高まる。





「シルバ…なんでここに…」

「……通りかかっただけだ」


震える声で名を呼べば、少し時間を置いて返事がくる。

まさかシルバだとは思っていなかったため、とても驚いた。

まだバクバクと鳴る心音を聞きながら、混乱したまま口を開く。





「だって3日の間は会っちゃだめって…」

「顔を合わせてはならないだけだ。このまま聞け」


思わず振り返りそうになった私をシルバが止める。

お互いの顔が見えないようにカーテンで包み込まれた。