「ドレスは何でも良いと思いますが」
この量のドレスを前にしてサラっとそんなことを言うウィル。
「シルバはエレナさんがどのドレスを着てもきっと喜びますよ」
「そうかしら…」
不安を口にすれば「そうに決まっています」と根拠もない答えが返ってくる。
「けど…着るんならシルバに綺麗だと言ってもらえるようなドレスを着たいわ。ニーナ、ベロニカ、ドレス選び手伝ってちょうだい」
「喜んで」
先ほどとは打って変わった私の姿勢にニーナはクスクスと笑いながら答えた。
「試着もあるでしょうし、僕はもう行きますね。当日エレナさんのドレス姿を見れるのを楽しみにしています」
「ありがとう、ウィル」
ニッコリと笑ってウィルと侍女たちが後宮から出て行き、パタンと扉が閉まる。
「さぁ、始めましょう」
腕が鳴るわ…と意気込むニーナの声が上がり、ドレス選びは始まった。
シルバが用意したドレスの量は本当に多くて。
それに比例して靴や装飾品も用意されていたものだから、包みを開くまでにとても時間がかかった。
床と言う床にドレスが並べられ、それだけで私たちの息は上がっている。
「や、やっとここまで来ましたね…」
「こ、これからが本番よ」
並べられたドレスを前にニーナと私は息を荒げながらそう言う。

