あっという間に後宮はドレスでいっぱいとなり、はしゃぐニーナがさっそく包みを開き始める。
「ドレスが届いたのならエステは後ですね」
などと鼻歌交じりにそう言うものだから、これはもうニーナたちの着せ替え人形と化すことは必至。
「ベロニカ、エレナ様に似合うドレスを一緒に選ぶわよ!」
「喜んで」
ベロニカも二つ返事で応え、包みを開いていく。
しかし、今日はどうしたのだろう。
いつもニーナが用意してくれるのは2、3着くらいなのに。
結婚式のためだからと言って多すぎやしないだろうか。
「ニーナ、こんなにたくさんのドレス、嬉しいんだけど…ちょっと多くない?」
ニーナを傷つけないよう言葉を選びながらそう言えば、ニーナはきょとんとした顔で口を開く。
「私はいつも通り2、3着しか頼んでいませんよ?てっきり他のドレスはエレナ様が選んだものとばかり思っていましたけど…」
「私は頼んでいないわ」
慌てて否定する。
シルバには欲しいものは自由に買えと言われているけど、私は自分が自由に使えるお金なんてないと思っているからドレスなんて買ったことないし…
「エレナ様が頼んでいないとしたら誰でしょうね」
そうね…と二人して頭を抱えていると…
「シルバですよ」
「「え!?」」
余りにもあっさり告げられた言葉に私とニーナの驚きの声が響く。

