「ウィル!」
抱えた荷物の横からひょっこり顔を出したのはシルバの側近ウィル。
「おや、お邪魔でしたか?」
「そんなことないわ、入って」
エステから逃げられると思った私はウィルを歓迎する。
意気揚々と迎え入れるが、気になるのはウィルが抱えている大きな荷物。
色とりどりの丸や四角の箱に目が行く。
「どうしたの?その荷物…」
「仕立て屋から王宮に大量のドレスが送られてきたので持ってきたんです」
きっとあの箱の中にはドレスやら靴やらがたくさん入っているのだろう。
けど……
「大量?」
そう言う割には抱えられた箱は少なく、言うほどのものではない。
どこかホッとしていると「あぁ…」とウィルの困った顔。
「これはほんの一部ですよ。入ってきなさい」
その声を皮切りにして続々と箱を持った侍女が入ってくる。
その数や尋常ではなく、一体誰がこんなに頼んだのかと言うくらいある。
「やっと届いたんですのね!今か今かと待ちわびました」
ニーナだったのね……
ガクッと肩を落としつつも、私のために喜んでくれているニーナを叱るわけにもいかなかった。

