白銀の女神 紅の王Ⅱ




しかし―――――


「逃がしませんよ、エレナ様。結婚式までに綺麗な体を作り上げませんと」

「……いいのに」


妙に張り切るニーナにボソっと抵抗を示すが…




「何かおっしゃいましたか?」

「い、いいえ。お願いします」


時折見せるニーナのニッコリ笑顔に従うしかなかったのだ。




「私に任せてください!必ずやエレナ様の綺麗な花嫁姿をシルバ様にお披露目します!…けど、さすがに結婚式となると私だけではお世話できませんので、婚儀が終えるまで侍女をつけます」


入って…とニーナが言えば、後宮の扉がそっと開いた。





「最近王宮に召上った侍女のベロニカです」

「ベロニカと申します。婚儀までエレナ様のお世話をさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします」


腰を折って丁寧に挨拶をしたのはニーナと同じくらい、もしくは少し年上に見える少女だった。



「こちらこそよろしくお願いします、ベロニカさん」


最近王宮に来たと聞いて、一瞬私の容姿を見て驚きはしないかと思ったけど、事前に聞いていたのか終始表情は穏やかだった。



ニーナたちと談笑していると…



コンコン……――――


優しく扉を2回叩く音。

皆が扉の方へ目を向ければ何やら荷物を抱えた男が入ってくる。

青年と言うにはまだ若い、けれど幼くも見えないその人は…