次の日の朝――――
私が起きた時にはすでにシルバの姿はなかった。
今日から3日目に開かれる式までシルバとは顔を合わせることは禁じられているからだろう。
「はぁ……」
1日目だと言うのに、朝シルバに会えなかっただけで溜息が零れる。
これじゃ先が思いやられるわ…
「3日なんてあっという間ですよ」
私の髪を梳いていたニーナが可愛らしい微笑みを浮かべるのを鏡越しに映る。
「今日から3日間シルバ様のことを想う暇もないくらい忙しいですから」
ニーナの瞳がキラリと光ったのは言うまでもない。
今もすでにニーナのなすがままに髪を梳かれているが、式までにすることはたくさんあると言うのだ。
髪を艶やかにすることも然り、化粧の色合いや、ドレスの選定までニーナの仕事はたくさんある。
それがニーナにとっては嬉しいらしく、結婚が決まってからの1か月間、ニーナは終始嬉しそうに私の世話をしてくれている。
忙しさが寂しさを紛らわしてくれればいいと私も思う。
「さぁ、次はエステですよ」
「う…私それ嫌い」
コトンと鏡台に櫛を置き、ニーナがにこやかに言った言葉にあからさまに眉を顰める。
元々人に何かをされるのには慣れていなくて、体を洗われることや着替えにも抵抗があるのに、素肌に触れられるエステには最も抵抗があった。

