「ふぁ……ん…」
唇が離れた時は、もう押さえられる手がなくとも力が入らなかった。
肩で息をしながらシルバを見上げれば、一瞬目を見開き、次の瞬間口を噛みしめた。
「この期に及んでまだ俺が他の者を選ぶと言えたものだな」
どこか苛立っているようにも聞こえる声が降る。
鋭い瞳に反して、腫れものに触れる様にかざされる手は私の髪に絡まる。
それさえも気持ちよくて、ぼーっとシルバを見上げる。
「俺にこんなことをさせておいて分からないとは言わせない」
「こんな…って…?」
浅い呼吸を繰り返しながらそう言えば、髪を撫でていた手が頬に下がってきた。
「身を以て教えてやる」
そう言って、今度はぐったりとした私の背と後頭部に手が差し入れられ、されるがままに口づけられた。
やっと解放されたと思ったのに…じゃなくて。
「ぁ……シル…バ……た…」
貪る様な口づけの合間に訴えるも言葉にならない。
そればかりか、私が何かを訴える度に口づけが激しくなっているのは気のせいだろうか。
「…ルバ……んんッ!」
いや気のせいじゃない。
このままじゃ本当に流されてしまう。
シルバが与える甘い快楽に酔いそうになるが、このまま流されるわけにはいかないのだ。
ゆるゆると動かした腕をシルバの胸に当て、ありったけの力を込めてその厚い胸板を押し返す。

