この気持ちを口にしてしまって良いのだろうか。
この想いはシルバにとって重くないのだろうか。
一瞬そんな不安が頭に浮かんだが、私はキュッと結んだ口を小さく開いた。
「お願い…どこにもいかないで…」
シルバに届いたか怪しいほどの小さな声。
喉の奥に詰まったように上手く伝えられないのは、これが私の身勝手な想いだと分かっているから。
案の定何も言わないシルバにどっと後悔が押し寄せた。
シルバがどうとったか不安で顔を上げれば、シルバは紅の瞳を見開かせて固まっていた。
「あの…これは…その…3日と会わなかったら私の顔なんて忘れられちゃいそうで」
無理やりはりつけた笑顔で慌てて言葉を濁す自分に、心の中で悲しくなる。
私何を言っているんだろう…
こんな回りくどい言い方をして、自分で勝手に傷ついて。
こんな事じゃ余計にシルバが離れて行ってしまう…
そんなの嫌だ。
すぅ…と一息吸い込み、しっかりと眼を合わせる。
「この3日間で心変わりをしたなら言ってください。私に身寄りがなくて可哀想だという同情は要りません」
優しいシルバの事だから、もしこの婚儀が破談となって王城を出ていくことになったら、私の帰る場所がないことを気にしそう。
もちろんシルバが同情だけで結婚をする人だとは思えないけど…

