でも私は……
「本当に3日間別々なの?」
「あぁ、そうだ」
不安げな私の問いに、端的な言葉が返ってくる。
婚儀が行われる3日間、お互い別々に儀式を受ける。
身を清めて、純粋なまま3日目の式を迎えるためらしいが…
一方ではニーナ曰く最後の過ちが許される3日間だと言う。
それを思うと胸がギュッと締め付けられた。
「っ…シルバはさっき私に結婚するまでなら迷ってもいいと言ったでしょう?」
「あぁ…言ったな」
おずおずと口にした言葉に、本に目を落としたままのシルバが短く答える。
その方が好都合だ。
今の私の顔を見てほしくなかったから……
「私にはシルバしかいなくて…シルバしか知らないから迷えないけど、シルバは違うから」
小さな声で告げた言葉は確かに届き、本のページをめくっていたシルバの手が止まった。
俯いているためその様子は分からなかったけど、こちらを見ていることは確か。
ドクン…ドクン…と大きく鳴る胸を押さえて、震える声で言葉を紡ぎだす。
「今まで付き合った女性はたくさんいるだろうし、その中には忘れられない人もいるかもしれないし…」
「何が言いたいんだ、エレナ」
少し低くなったシルバの声。
「あの……えっと…」
鋭いシルバなら今の言葉だけで分かったはずなのに、シルバは敢えて私に問う。

