「どうだ?俺を納得させる理由があるか?」
「あり…ません…」
とても近い距離とまっすぐぶつけられる言葉に観念した。
すると、シルバは満足したように口を開く。
「なら3日間大人しく儀式を受けるんだな」
そう言って私の腕を取って自分の胸の中へ引き込むシルバ。
人の胸のうちなど知らずに、ソファーのわきに置かれていた本を取って読み始めた。
なッ……またこんな……
腰に回っているのは片腕だけなのに身動きが取れない。
抱きしめられているこちらの身にもなってもらいたいわ。
一人涼しい顔をして本を読むシルバが少し恨めしく思いながら、もぞもぞと抵抗していた力を解く。
遂には諦めて広い胸にコツンと頭を預けた。
明日から別々なんだ……
先ほどシルバに告げられた言葉を思い出す。
3日間か……――――
ニーナから初めて説明を聞いたときは驚いたけど、婚儀は3日にわたって行われる。
普通ならその儀式も省かれるのだが、王族は伝統的な儀式に沿って3日間すべてを使って行われるらしい。
それは王族としての義務であり、シルバも面倒だと文句を言いつつも避けては通れないと思っている。

