「言っておくが、婚儀をやめるつもりはないからな」
「え?」
突然の宣言に思わず声を上げた。
目の前にはゾクッとするほど綺麗な笑みを浮かべたシルバ。
「俺から逃げられるとでも?」
ドキッ―――――
「逃げるなんて…」
射抜くように見つめる紅の瞳に胸の鼓動が速くなる。
「婚儀に不安を持っていると言うことはそう言う事だろ」
シルバの言う事にも一理ある。
シルバの事はとても好きだし、愛しているけど…不安は常に付きまとうもの。
その不安を表に出してしまうたびに、シルバに申し訳ないと思うし、それはシルバから逃げているともいえるから…
俯きかけていた私の頬に大きな手が触れ、導かれるままに紅の瞳と対峙する。
「婚儀を終えれば俺はもうお前を手離しはしない…一生な」
ッ……!
治まりかけていた胸の高鳴りがまた早鐘を打ち始めた。
「逃げるなら今の内だぞ?ただ、俺が納得する理由でなければ逃がさないが」
この自信はどこから来るのだろうか。
きっと、私がシルバから離れられないことを前提で言っているのだろうが、それにしてもシルバの想いはどこまでもまっすぐだ。

