白銀の女神 紅の王Ⅱ



「言っておくが、婚儀をやめるつもりはないからな」

「え?」


突然の宣言に思わず声を上げた。

目の前にはゾクッとするほど綺麗な笑みを浮かべたシルバ。





「俺から逃げられるとでも?」



ドキッ―――――



「逃げるなんて…」


射抜くように見つめる紅の瞳に胸の鼓動が速くなる。




「婚儀に不安を持っていると言うことはそう言う事だろ」


シルバの言う事にも一理ある。

シルバの事はとても好きだし、愛しているけど…不安は常に付きまとうもの。

その不安を表に出してしまうたびに、シルバに申し訳ないと思うし、それはシルバから逃げているともいえるから…

俯きかけていた私の頬に大きな手が触れ、導かれるままに紅の瞳と対峙する。




「婚儀を終えれば俺はもうお前を手離しはしない…一生な」


ッ……!

治まりかけていた胸の高鳴りがまた早鐘を打ち始めた。




「逃げるなら今の内だぞ?ただ、俺が納得する理由でなければ逃がさないが」


この自信はどこから来るのだろうか。

きっと、私がシルバから離れられないことを前提で言っているのだろうが、それにしてもシルバの想いはどこまでもまっすぐだ。