無邪気な欲望



2人のやり取りに気を取られ過ぎていた私は、隠れてなきゃいけない立場なのも忘れて、想像以上に身を乗り出してたみたい。


女生徒に抱きつかれてる先輩とばっちり目が合ってしまったのだ。



「「!?」」



マズイ!!


そう思って、すぐに机の下に隠れ直したけど、手遅れに決まってる。


どう考えても今ので完全に見つかってしまったはずだ。


念の為にもう一度、そ~っと様子を窺うと、やっぱり雑賀先輩は抱きつかれながらこっちを凝視している。


普段は飄々としてる先輩も、さすがにこの状況には驚きを隠せないみたいで、今まで見た事もない困惑した顔をしていた。


不審者でも見るような目つきで私をじっと見ているのが腹立たしいけど、この状況で何を思われても仕方ないなと思い直す。


机の陰からこっそりと顔を覗かせてる私。


そんな私を見て、思いっ切り怪訝な表情をしてる雑賀先輩。


なんていたたまれないシチュエーション。


よりによってあの雑賀先輩に見つかっちゃうなんて。