怖い顔をしていた晶ちゃんが、途端に慌てふためいた。



「バ、バカ!! アンタ、私達の話聞いてた? そんな噂があるから、むやみに近づくなって言ってんの!!」



「だけど、聞いちゃったら知らん顔出来ないもん! 退学になる前に手を打たなくちゃ!!」



くっつけていた机を元に戻しながら、自分の意見を主張する。


どんなに止められたって、考えは変わらない。


晶ちゃんもそれがわかってたから、笑里ちゃんに余計な事は言うなって釘を刺してたみたいだけど、見事に失敗したみたい。


私に小言を言うのをやめて、ペラペラ喋っちゃった笑里ちゃんに矛先を向けた。



「ほらみろ、バカ笑里!! アンタが話し過ぎたせいでこんな事に!!」



「でもぉ、晶だって教えた方がいいって……」



「だから余計なコトは話すなって言ったでしょーが!! 雑賀先輩を警戒させるぐらいまででよかったのに!! なんで校内とかそんな事、教えんの!!」



「だってぇ。それが余計なコトだって思わなかったんだも~ん」



「『だも~ん』じゃない!! ホントあんたは何でいっつも……」