「雑賀先輩!!」



さっきよりも声に力を込めて呼んでみた。


一度目は反応しなかったけど、今度の呼びかけには応じてくれる気になったみたい。


雑賀先輩はくるりとこちらを振り返ると、そのままスタスタと私の目の前までやって来た。



「朝っぱらからでかい声で誰かと思ったら……。お前か、ちま」



雑賀先輩はぐりぐりと押さえつけるように、私の頭を撫でて来た。
不敵な笑いを浮かべて、その行為をとっても楽しんでるみたいに見える。


でも私にとってはとても不愉快な行為だったので、少し乱暴に手を払いのけた。



「やめて下さい!! そんなに押さえつけられたら背が縮んじゃいます」



「は~?」



心底驚いたような声を上げられ、私はキッと先輩を睨みつけた。



「な、何ですか?」



「いやいや、つ~かソレ関係なくね? オレが押さえつけなくても、お前は元から小さいよ?」