「絶対に良くないと思うの」



大好物の鳥の唐揚げをつつきながら、ぽつりと呟く私。


今は昼休憩中。


クラスメイトの半分は食堂へ行っちゃうけど、私と2人の友人達は教室で机を寄せ合い、それぞれのお昼ご飯を広げていた。



「良くないって何が?」



登校中にコンビニで買ってきたメロンパンを頬張りながら、晶ちゃんが尋ねてきた。


彼女は森晶(もりあきら)ちゃんと言って、中学からの同級生。


凛とした美人で姉御肌な晶ちゃんは言動に少~し乱暴な所はあるけれど、とっても面倒見が良いお姉さんみたいな存在だ。



「何がって決まってるでしょ。さ……」



「雑賀先輩の事~?」



途中で私の話を遮ったのは、見た目からは想像もつかない程、大きなお弁当箱を目の前に置いている笑里ちゃんだ。