幼なじみを、しかもこんな女大好きな最低男を好きになるなんてあり得ない。

あっちゃいけない、って、何回言い聞かせてきただろう。


最早こいつは、私を女として見ていない。つまり、こいつが私を好きになることはない。


分かってるんだ、惨めなほどハッキリと。





「……まぁ、テツだってバカじゃねぇからなー。お前と1回遊んだら現実を思い知るんじゃねぇの?」

「どーゆー意味よ」

「心配しなくてもどうせすぐ、またこうやって人ん家のベッド占領してマンガ読んでんだよ、お前は」


勝ち誇ったような笑顔で振り向くから、また無謀な期待をしてしまうんだ。

まだ近くにいてもいいって、許されてるような錯覚に陥るんだ。