何も言わずに紙をポケットに閉まって、バフッと枕に顔を埋めた。



こんの、無神経鈍感馬鹿男。



「……テツ君ってさ、モテるよね。背も高いし、細いのに意外と力持ちだし、笑うと可愛いし」


彼の坊主頭に向かって投げやりに言葉を重ねる。


「声もいいし、スポーツできるし、頭も悪くない、」

「何が言いたいの」

「いや別に。物にできたらデカいなぁって思っただけ」

「いい奴だよ、テツは」



……知ってるっつの。



って言うか明日って、私の見たい映画につき合ってくれる日じゃなかったっけ。

忘れてんのか、忘れたフリしてんのか……どっちにしても最低だ、くそハゲ。