「高校も一緒、なんだけど」

「っ、はぁ?」

「体育祭で同じ色になったこともあるし」

「知るか!」

「だろうねー」


……最っ悪だ。

高校時代の思い出したくもない黒歴史を知ってる奴が目の前にいるなんて。


「俺、梅ちゃんのこと追いかけてここまできたんだから」

「……それ、どう言う、」

「まぁまぁ、続きは電車の中で。あっ、取りあえず今日は家まで送るから」

「はっ!?」

「分かってると思うけど、梅ちゃん立場的に不利だから言うこと聞いた方がいいよ」

「……」


近づいてきた電車をバックに悪魔のような笑みを作る彼。

こんなことなら、こいつが寝てるときに無理してでも帰るべきだった。


「梅ちゃんってどこで降りんの?」

「どこでもいいでしょ」

「あらら、反抗的」





【悪魔プリンス】

(俺は眼鏡の梅ちゃんも
 好きだったんだけどなぁ)
(あんたに好かれたくないから)



end.