桜に迎えられながらの入学式。


私はそのとき期待と不安で胸がいっ
ぱいだった。


「制服似合ってるじゃない。」


お母さんのそんな言葉も聞こえない
ぐらい緊張していた私、佐藤藍佳。


今日から中学一年生。


クラスの書いた紙を見ると、小学校か
ら仲が良かった明日香と一緒で1組だった。


「藍佳、一緒のクラスだね。」


今、来たらしい明日香がしゃべりかけ
てきた。


「緊張するね。スカート丈、大丈夫かな?」


「先輩たちに目つけられたら怖いもんね。」


こんな会話をしているうちに入学式が始
まった。