急に登場したキングの名前。



思わずピクッと反応してしまう自分。

目を開けてさりげなく隣を見てみれば、

鞄に手を突っ込んだまま話し掛けられた方を無表情で見ているキング。



……私と一緒の所を見られてはいないか。それをここで言われるんじゃないか。

その不安が私の中を占めます。



キング目撃情報を喋ったのは越谷さん。

あの、着物姿で楽しそうにキングに話し掛けていたのを思い出す。

「ウソーー!!」



声を上げた他の傍観者。


会いたかったと思った人がいるのでしょう。