厚保也の過去は…詳しくは知らないが…
 不遇な生い立ちだったようだ。




 俺もお前に出逢うまで…

 自分から愛して求めた相手は居なかった。




 「真…心臓の音…聞こえるよ」


 「え、あ…」


 厚保也に心臓の音を聞かれ…いっそ…早鐘を打ち始める。


 「さっきよりも早くなったけど…どうして?」


 「……お前に心臓の音…聞かれているからだ…」