「やぁ、いらっしゃい」 奥からゆっくりと聞こえてきた少し低い声の持ち主の登場に、先生の顔に緊張が走った気がした。 「君が、祐介君だね」 そう先生を“君”付けで呼ぶのは、うちのお父さん。 ちなみに、お父さんが先生に会うのは今日が初めて。 お父さん、先生のことを気に入っちゃうのかな? ここで「お前に娘はやらん!」なんて言ってくれたら面白いのにな。 僅かに残ってたあたしの中の悪女が小さく呟いた。