「座れ。」
怖い。怒ってる怒ってる。
大人しく席に座った。
「あの、なんか巻き込んでしまって…ごめんなさ…い。」
「はっ?泣いてんの?」
「や、あの、ちょっと怖くてびっくりして…」
「あー、ごめん。ついカッとしちまって。」
「俺、昔族の一員だったから、アレが素っちゃー素なんだな。」
「そ、なんですか。すみません、泣いちゃって。」
やっぱり、怖い人だったんだ。
「悪かった。」
龍斗さんはタオルで顔を拭いてくれた。
その後、上手に髪についたガムを取ってくれた。
後、トリートメントもしてくれた。
「せっかく綺麗な髪してんだから、トリートメントしろよ?」
「パサパサになりかけてたぞ。」
「わかりました。ありがとうございます。」
「あ、お金…」
「いーよ、俺の好意でやったんだ。その代わりまた来いよ。
髪は痛んでからじゃ遅いからな。」
「ありがとうございました。」
「おう。じゃーな。」
ありがとーございましたー。

