例の事件があってから私はそのことばかりを考えるようになった。
あの意味は何だったのか。ただふざけて言ったことなのか。もしくは夢のことと関係しているのか。しかしそんなこと有り得るのか?
彼女が私の夢について知っていることなど現実的に考えれば起こりえないことだ。そう、異常なことである。
だが、私の夢は異常な夢だ。だから関係がないとも一概には言いきれないかもしれない。いやあの言葉に元々意味なんかなかったんじゃないか。言葉なんてそんなもんだ。全ては曖昧で人の言っていることを完璧に捉えることなど不可能に近い。

私はそう結論を出しては、また一から考え直しまた結論をだし…もはや私の脳は音を立てて崩れそうになっていた。

翌日、本人に勇気を出して尋ねようと試みたが、あれからサオリは学校に来なくなってしまった。親しいと思われる彼女の友人に欠席の理由を聞いても、首を傾げるばかりである。